2021.09.15 | 同期性と優位性認知に関する研究論文が国際学術誌 Social Development に掲載されました。

孟助教らの研究論文が国際学術誌Social Developmentに掲載されました。

論文:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/sode.12556

   

(英文題名)Development of synchrony-dominant expectations in observers

(和文題名)集団の同期性に基づく優位性評価の発達

概要:同期性は、古くから集団儀式の欠かせない要素である。メンバー同士の同期した動きは、その集団内の高い凝集性や心理的繋がりのシグナルとして機能すると考えられてきた。近年、特にその凝集性の知覚が、「同期する集団が強い」という感覚を引き起こすことが提唱されてきたが、「同期=強い」という評価バイアスの発達過程は明らかではなかった。本研究では、動きが同期する集団と同期しない集団のアニメーションを参加者に見てもらい、競合場面において「団体戦」と「個人戦」の勝敗を予測させた。その結果、同期性による偏りが、「個人戦」ではなく、「団体戦」の予測において見られた。具体的には、「同期する集団が団体戦に勝つ」という予測が成人(実験1)と7-8歳児(実験3)では見られ、5-6歳児(実験2)では見られなかった。また、予測理由は「連携がいいから、ひとつになっているから」など集団凝集性に言及するものがほとんどであった。これらの結果から、同期する集団に優位性を帰属する傾向が学童期で発達すること、そしてその判断には集団凝集性の認知が重要であることが明らかになった。